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2023.09.27

第4回:保険で困った時の問い合わせ先~保険加入者の実態調査2023~

第4回:保険で困った時の問い合わせ先~保険加入者の実態調査2023~

3年以内に生命保険もしくは損害保険に加入した全国の男女2,652人を対象に、保険加入者の実態調査を行いました。5つのテーマに沿って連載コラムをお届けします。

第4回のテーマは、「保険で困った時の問い合わせ先」です。

調査主体:株式会社TMJ
調査実施機関:株式会社インテージ
調査方法(抽出フレーム):インターネット調査(MAT-Kitより抽出し配信)
調査実施期間:2023年3月24日(金)~29日(水)
調査地域・対象者条件:全国の18歳以上男女個人、3年以内にいずれかの保険に加入した方
サンプルサイズ:n=2,652

保険に関する最初の問い合わせ先

Q. 保険に関して不明点があったり手続き変更を行ったりしたい時、最初にどこへ問い合わせますか。

保険に関する最初の問い合わせ先

生命保険(以下、生保)と損害保険(以下、損保)ともに、

  • 「保険会社や保険代理店の担当者」が1位

となり、「インターネットでまず自分で検索」するよりも、「人にまず問い合わせる」という手段を選ぶ方が多い結果となりました。

ここからは、最初の問い合わせで解決しなかった場合のお客様の行動パターンを調査しました。


保険に関して問い合わせる時の行動パターン

Q. 問い合わせ先1位の「保険会社や保険代理店の担当者」に問い合わせても解決しなった場合

  • 保険会社や保険代理店の担当者に問い合わせる
  • 解決しない場合
  • 保険会社のコールセンターに問い合わせる
  • 解決しない場合
  • 保険会社の問い合わせフォームに問い合わせる

生保と損保ともに、「保険会社や保険代理店の担当者」で問い合わせ内容が解決しなかった場合、「保険会社のコールセンター」「保険会社の問い合わせフォーム」の順に問い合わせる行動パターンが最も多くなりました。

最初に「保険会社や保険代理店の担当者」に問い合わせる方は、その後「保険会社のコールセンター」に問い合わせ、その後もチャットボットではなく、「保険会社の問い合わせフォーム」に問い合わせる流れは、人への信頼度が厚く、人を通して解決したいニーズがあることが推察できます。


Q. 問い合わせ先2位の「インターネット検索」をしても解決しなった場合

生保の場合(n=99)

  • インターネット検索する
  • 解決しない場合
  • 保険会社や保険代理店の担当者に問い合わせる
  • 解決しない場合
  • 保険会社のコールセンターに問い合わせる

損保の場合(n=172)

  • インターネット検索する
  • 解決しない場合
  • 保険会社のホームページを確認する
  • 解決しない場合
  • 保険会社の問い合わせフォームに問い合わせる

「インターネット検索」で問い合わせ内容が解決しなかった場合、生保と損保で行動パターンに大きな違いが見られました。

生保では、「保険会社や保険代理店の担当者」「保険会社のコールセンター」の順に問い合わせる行動パターンが最も多くなりました。損保では、「保険会社のホームページ」「保険会社の問い合わせフォーム」の順に問い合わせる行動パターンが最も多くなりました。

損保では、「インターネット検索」を最初の問い合わせ先とした方は、その後もオンラインの問い合わせ手段(ホームページ・問い合わせフォーム)を活用し、自己解決したい傾向が見られました。


Q. 問い合わせ先3位の「保険会社のコールセンター」に問い合わせても解決しなった場合

生保(n=89)・損保(n=159)の場合

  • 保険会社のコールセンターに問い合わせる
  • 解決しない場合
  • 保険会社や保険代理店の担当者に問い合わせる
  • 解決しない場合
  • 保険会社の問い合わせフォームに問い合わせる

生保・損保ともに、「保険会社のコールセンター」で問い合わせ内容が解決しなかった場合、「保険会社や保険代理店の担当者」「保険会社の問い合わせフォーム」の順に問い合わせる行動パターンが最も多くなりました。

最初に「保険会社や保険代理店の担当者」に問い合わせる方も、「保険会社のコールセンター」でも解決しなかった場合、「保険会社の問い合わせフォーム」に解決策を求めていました。

人で解決できなかった場合に活用される「保険会社の問い合わせフォーム」は、お客様対応を行う上で重要なお客様の問い合わせ先であることが推察できます。そのため、「お問い合わせフォーム」は作りっぱなしを避け、定期的に見直すことで、お客様の問い合わせ時の早期解決につなげ、お客満足度の向上にもつなげることができる可能性があります。

保険で不明点があった時に「特に行動しない」理由

冒頭で行った「保険に関する最初の問い合わせ先」の調査で「特に行動しない」と回答した方が生保と損保ともに3位(生保:9.6%、損保:9.2%)となりました。その理由を調査した結果が以下です。


Q. 保険で不明点があった時に「特に行動しない」と回答した理由は何ですか。(複数回答可)

生保の場合(n=387)

1位 問い合わせることが億劫になった(13.7%)
2位 保険の知識がなく、行動にうつせなかった(11.9%)

3位 問い合わせたが、回答がわかりにくかった(8.5%)
4位 保険の専門用語を理解できなかった(8.3%)
5位 あまり問い合わせると勧誘されそう(7.0%)
6位 時間がなく、調べることをあきらめた(6.7%)
7位 情報が多過ぎて、行動にうつせなかった(6.5%)
8位 問い合わせることを忘れてしまった(2.3%)

損保の場合(n=485)

1位 問い合わせることが億劫になった(14.2%)
2位 時間がなく、調べることをあきらめた(7.4%)
3位 保険の知識がなく、行動にうつせなかった(7.0%)
4位 問い合わせたが、回答がわかりにくかった(6.6%)
5位 保険の専門用語を理解できなかった(5.8%)
6位 あまり問い合わせると勧誘されそう(5.6%)
7位 情報が多過ぎて、行動にうつせなかった(4.9%)
8位 問い合わせることを忘れてしまった(1.2%)

生保と損保ともに、

  • 「問い合わせることが億劫になった」ことが1位

となりました。

回答結果からも、「保険商品は理解するのが難しい」ことで「問い合わせに手間がかかる」という認識があり、保険商品のわかりやすさはお客様の不安を払拭する上で重要なポイントであることが推測できます。 また、いかにお客様の疑問点を引き出しながら、最小限の手間でスピーディーに解決できるかも重要であることが推測できます。


保険会社への問い合わせ内容

実際にどんな内容で保険会社へお客様は問い合わせているのでしょうか。

Q. 契約している保険会社で、一番最近行った問い合わせの内容は何ですか。

保険会社への問い合わせ内容

生保と損保ともに、

  • 「契約内容の照会」が1位

となりました。

生保では、「契約内容の照会」「入院給付金の請求」「保険料の払込み」の3つがそれぞれ1割程度、損保では「契約内容の照会」「保険料の払込み」の2つが1割程度を占め、一番最近行った手続き内容として多かったです。

上位にあがっている問い合わせ内容をわかりやすく案内したり、簡易的に手続きが完了できたりすると、お客様の満足度も高まることが期待できそうです。

保険会社への問い合わせ時の満足ポイント

お客様が実際にどんなポイントで満足されているのでしょうか。

Q.保険会社で一番最近行った問い合わせ時に満足していることは何ですか。(複数回答可)

保険会社への問い合わせ時の満足ポイント

生保と損保ともに、

  • 「担当者の説明のわかりやすさ」「手続きの簡単さ」「担当者の態度やマナー」

が満足したことの上位3つとなりました。

第2回の「保険に期待していること」の調査で、「商品内容がわかりやすい」ことが上位にランクインしており、今回の「手続き時の満足していること」でも「担当者の説明のわかりやすさ」が首位となり、「わかりやすさ」がキーワードとなっています。

TMJでもコンタクトセンターの運営をはじめとするお客様対応や手続き書類関連のバックオフィス業務を担う中で、お客様にとってわかりやすい手続き方法や手続きの対応する側がいかに不備なく業務を進めるかに注力しております。

また、eKYC(電子本人確認)の導入など手続きそのものを抜本的に変えることも保険会社に求められていることが推察できます。

関連記事はこちら>>保険業界に革新をもたらすeKYC導入、顧客満足度向上の鍵

まとめ

保険に関する最初の問い合わせ先は、生保と損保ともに「保険会社や保険代理店の担当者」へ問い合わせるが1位となりました。インターネット検索などで自己解決するよりも、人に問い合わせる手段が選ばれる結果となりました。

保険に関して問い合わせる時時の行動パターンでは、損保で最初に「インターネット検索」で不明点を解決したかった方は、その後オンラインを活用した手段(ホームページ・問い合わせフォーム)を活用し、自己解決したい傾向が見られました。 また、担当者やコールセンターに問い合わせても解決できなかった場合、「お問い合わせフォーム」に問い合わせる割合が高かったです。

保険で不明点があった時に「特に行動しない」理由は、生保と損保ともに「問い合わせることが億劫になった」ことが1位でした。

保険会社への問い合わせ内容では、生保と損保ともに「契約内容の照会」が最も多かったです。

保険会社への問い合わせ時の満足ポイントは、生保と損保ともに、「担当者の説明のわかりやすさ」「手続きの簡単さ」「担当者の態度やマナー」が上位3つとなりました。

最終回の第5回では、「マイページの活用状況」をテーマにお届けする予定です。


▼本テーマを含んだ調査レポートの全文はこちらから

保険加入者の実態調査2023