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2023.11.17

【保険会社向け】採用難時代における採用のポイント

【保険会社向け】採用難時代における採用のポイント

自社のリソース確保のために、派遣会社やBPO企業など外部パートナーと一緒に進めている企業は多いと思います。しかし採用難の時代の今・・・採用がうまくいかず、ベンダーに「何とかお願いします!」と毎回お願いしている企業も多いかもしれません。

一方、保険会社は商品の特性上、業務難易度が高かったり、業務によっては土日対応が必要でシフトの融通が利きにくかったりということで、求職者にとって人気のある業界とは言いにくい部分があります。そのため、自社の採用活動を有利に進めるためには、外部へ任せっきりにするだけではなく、受け入れ側の体制を整えることが必要不可欠となります。

そこで今回は、外部パートナーと一緒に採用を進めている採用担当者向けに「保険会社の採用時の4つのポイント」をテーマにご紹介します。TMJが保険会社様と一緒に実施している取り組みや事例も交えながらお届けします。

就職難から採用難の時代へ

厚生労働省が公表したデータによると、有効求人倍率は1.29倍(2023年8月時点)となり、約10年間有効求人倍率は1.0倍を超えており、求職者が企業を選ぶ時代だといえます。採用数よりも求職者数が多い「就職難」から採用数の方が求職者数の方が多い「採用難」の時代が訪れています。

求められている職場環境とは?

エン転職が実施した新型コロナ後の「企業選びの軸」についての回答結果によると、

企業選びの軸

1位 勤務時間・休日休暇・勤務地が希望と合うか
2位 自分にできそうな仕事・業務であるか
3位 仕事を通じ、やりがい・達成感が得られるか
4位 経験・スキルが活かせるか
5位 年収アップができるか

がトップ5にランクインしました。

「無理なく、長く就業できる環境」を整えることが、人材の確保につながることが推察できます。

採用難時代での採用時の4つのポイント

採用が難しい今、保険会社の採用における4つのポイントをまとめました。

1. 採用基準の緩和(シニア層、未経験者の活用)

採用基準の緩和

幅広い業務スキルをカバーできる人材の採用だけでなく、対応業務の幅は限定的でも一部を担える人材を確保することも一案です。

対応業務を狭めることで、シニア層や未経験者の活用にも視野を広げることができます。一部の業務からでも確実に人材を確保し、業務を進めることができます。


2020年から2040年にかけての人口推移

2020年から2040年にかけての人口推移

(データ元:国立社会保障・人口問題研究所「人口ピラミッドのデータ」を基にTMJが作成

国立社会保障・人口問題研究所公表のデータによると、15歳~64歳の生産年齢人口は右肩下がりとなり、特に20~49歳の生産年齢人口は著しく減少することが推定されています。


2020年から2040年にかけての生産年齢人口の推移

  • 2020年:約7,216万人のうち、20~49歳は4,526万人
  • 10年後
  • 2030年:約6,809万人(-406万人(6%))のうち、20~49歳は3,903万人(-616万人(14%)
  • 10年後
  • 2040年:約6,006万人(-803万人(12%))のうち、20~49歳は2,402万人(305万人(8%)

減少傾向にある生産年齢人口の中でも、メイン層となる20~49歳の人材の確保は特に難しくなってくることが予想されています。

2. 難易度で業務を切り分け

採用基準の緩和にもつながる部分として、業務難易度に応じて業務を切り分けられないか検討することもポイントとなります。

●業務難易度に応じた人員配置

難易度が高くない業務は積極的にシニア層や未経験者に担っていただき、業務に慣れてきたらより難易度の高い業務に挑戦する環境を整えることができます。たとえば、IVR(音声自動応答システム)で簡単にできるフローを切り出すこともできます。

●FAQやChatGPTなどのテクノロジーの活用

FAQやChatGPTなどのテクノロジーの活用

また、人での対応が必要な業務とテクノロジーで対応できる業務を仕分けることで、従業員がより業務を進めやすい体制を整えることができます。以下、一例です。

  • ボイスボット(AI音声自動応答)の活用

AI技術でお客様の声を認識し、音声ガイダンスで案内を行い、最後にオペレーターにつなげることでオペレーターの業務負荷を減らしながらより多くのお問い合わせに対応する体制を整えることができます。

ボイスボットの関連記事を読む>保険業界におけるボイスボット(AI音声自動応答)の活用法とは

  • 社内FAQ活用

内部のオペレーション向けのFAQを整備し、分厚いマニュアルを読み解く手間を省くことができます。従業員のスピーディーな業務理解を促進し、より多くの方が業務に対応しやすくなります。

社内FAQの関連記事を読む>【業務マニュアルの作り方】作成のコツやポイント、代行サービスを紹介!

  • ChatGPT

ChatGPTをはじめとした生成AIの活用が保険会社でも進んでおり、今後の活用が期待されています。

ChatGPT活用の関連記事を読む>保険会社のChatGPT導入状況、調べてみた!

3. 受け入れ体制の工夫・強化

受け入れ体制の工夫・強化

入社しておしまいではなく、受け入れ体制を整え、職場に定着していただくことが重要です。

研修カリキュラムは更新されているものの、業務に対応する方目線での根本的な見直しがされていないというケースがよくあります。保険業務は座学研修のスタイルが多く、内容も専門用語が多いなど難易度が高い傾向にあります。未経験の方にとって、早く覚えなければと焦りが募り、先の業務に不安を感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。

●研修カリキュラムの見直し

そのため、定期的に研修カリキュラムを見直し、受講者の確実な業務習得を促しながら、業務に安心して取り組める環境を整えることがポイントです。

具体的には、

  • 文字だけでなく、図解も取り入れたマニュアル作り
  • 社内FAQ(内部FAQ)も活用することで、分厚いマニュアルを避ける
  • 「一度に覚える」ではなく、「ステップをふみながら無理なく覚える」業務の習得スタイル
  • コミュニケーションの場作り
  • 一人ひとりの業務習熟度を把握するツールの導入
  • 管理者向け研修を実施し、受け入れ側の体制を整える

などが一例です。

●採用頻度と年間育成計画の見直し

採用頻度を見直し、年間育成計画も採用計画に合わせることで安定した業務実施が可能となります。

コールセンター担当者在籍数

採用頻度と年間育成計画の見直し

たとえば、年に1回から年4回にコールセンター担当者の採用頻度を増やすことで想定外の入電の増減や突発的な退職者にも対応でき、安定した業務実施の実現につなげることができます。

また、入社タイミングに合わせて随時研修を実施し、前回の研修実施時の反省点を随時反映することでより良い研修を提供する好循環を作ることができます。

4. 採用計画・戦略作りはパートナー企業と一緒に考える

④	採用計画・戦略作りはパートナー企業と一緒に考える

採用の実業務に対応するのはパートナー企業ですが、意思決定を行うのは自社です。パートナー企業に任せっきりにせず、一緒にチームとして取り組むことで、パートナー企業の提案の幅が広がったり相談をしやすくなったりし、結果的に合理的な意思決定につながりやすくなります

また、イレギュラーが発生した場合にも協力体制を築けていることで、スピーディーな判断が可能となり、迅速なリカバリーにつなげることができます。

まとめ

自社で全ての採用業務を担うのは難しくても、パートナー企業と一緒に取り組むことで自社の成長につながる採用を実現することができます。 TMJでは、BPO企業として業務の見直しをはじめ、人材育成・研修プログラムの提供を行っております。また、高齢者人材の採用を積極的に実施しており、高齢者人材のための採用・研修・育成パッケージを独自開発しており、高齢者人材の活用にもお役立てできる部分があるかと思います。

採用に関するお悩みやご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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