お役立ち情報
2023.10.04
第5回:マイページの活用状況~保険加入者の実態調査2023~
3年以内に生命保険もしくは損害保険に加入した全国の男女2,652人を対象に、保険加入者の実態調査を行いました。5つのテーマに沿って連載コラムをお届けします。
最終回の第5回のテーマは、「マイページの活用状況」です。本記事では、インターネット上で諸手続きができ、登録・ログインが必要な契約者専用のインターネットサービスを「マイページ」と位置づけます。
調査主体:株式会社TMJ
調査実施機関:株式会社インテージ
調査方法(抽出フレーム):インターネット調査(MAT-Kitより抽出し配信)
調査実施期間:2023年3月24日(金)~29日(水)
調査地域・対象者条件:全国の18歳以上男女個人、3年以内にいずれかの保険に加入した方
サンプルサイズ:n=2,652
過去テーマ
手続きが必要な際の問い合わせ先
Q.契約中の保険に関して、手続きが必要な際、どのような方法で問い合わせましたか。
生命保険(以下、生保)と損害保険(以下、損保)ともに、1位の「保険会社や保険代理店の担当者」に次いで多かったのが「保険会社のホームページ(マイページ)」でした。損保の方が、マイページ活用は生保より5%ほど高い結果となりました。
第4回の「保険で困った時の問い合わせ先」では、問い合わせ時の行動パターンや満足ポイントについて深堀しました。今回は、問い合わせ先2位となった「マイページ」をテーマにお届けします。
マイページの登録・利用
Q. 保険のマイページに登録・利用していますか。
- 生保では、54%、損保では46%がマイページに登録
- マイページについて把握していない割合が、生保は25.7%、損保が32.4%
となり、約半数は登録済みなものの、マイページに無関心な層も約3割ほどいました。
マイページの利用ツール
Q. マイページは何のツールで利用していますか。(複数回答可)
生保の場合(n=619)
1位 スマートフォンアプリ(52.5%)
2位 パソコン(48.3%)
3位 スマートフォン(27.3%)
4位 タブレット(18.3%)
損保の場合(n=719)
1位 パソコン(58.0%)
2位 スマートフォンアプリ(43.5%)
3位 スマートフォン(22.8%)
4位 タブレット(14.9%)
- 生保ではスマートフォンアプリ(52.5%)、損保ではパソコン(58.0%)が1位
となりました。
マイページを利用する理由
ここでは、マイページに登録・利用されている方に絞って調査しました。
Q. マイページを利用している理由は何ですか。(複数回答可)
生保と損保ともに、
- 「請求や契約内容変更の手続き」がマイページ利用理由として1位
となりました。
マイページを利用しない理由
ここでは、マイページを利用・登録しない方に絞って調査しました。
Q. マイページを利用しない理由を教えてください。(複数回答可)
(生保:n=320、損保:n=423)
生保と損保ともに、
- 「登録・ログインにパスワードが必要で面倒」
- 「保険会社や保険代理店の担当者に手続きを頼めばよいから」
がマイページに登録・利用しない理由の上位2つになりました。
マイページを利用する前段階の手続きを面倒と感じるとともに、担当者やコールセンターなどマイページ以外に問い合わせる先があることで、マイページ活用への優先度が低いことが推察できます。
マイページ利用時の手間を省く取り組みとして、日本生命ではスマートフォンアプリに指紋や顔認証で簡単にログインできる仕様を採用しています。
詳しくはこちら>お手続きをより簡単・便利に。日本生命アプリのご案内 ※外部サイトに飛びます
マイページで利用したいこと
ここでは、マイページを内容によっては利用したい・利用したくない方に絞って調査しました。
Q.どんなものがあれば利用したいと思いますか。(複数回答可)
生保と損保ともに、
- 「請求や契約内容変更の手続き」「相談・問い合わせ」「問い合わせ先の確認」
がマイページで利用したいことの上位3つとなりました。
第3回の「保険会社から受け取りたい情報」では、「特にない」が生保と損保ともに1位となった結果と今回のマイページで利用したいことの結果をふまえると、お客様は保険会社からの積極的な情報発信よりも、困った時にお客様ご自身でスムーズに必要な情報にたどりつけることへの期待値が高いことが推測できます。
お客様ご自身で手続きを完結できるサービスがある一方で、お客様によってはスマホ操作に不慣れであったり、苦手意識があったりと手続きに不安があったり、サポートが欲しい方もいらっしゃるかと思います。そこで保険会社は、手続きに不安がある方向けに動画で手続きの流れを確認できたり、画面同期サービスを活用し、遠隔でもリアルタイムでお客様のお困りの点を解決したりすることでお客様満足度を高めることができます。
手続きをシンプルするサービスの一例
給付金請求手続きをマイページ内で完結できる「スマート OCR 診療明細書」
株式会社アイリックコーポレーションが他社と共同開発した「スマート OCR 診療明細書」を採用したネオファースト生命保険株式会社では、従来は電話での問い合わせと書類の郵送が必要であった「給付金請求手続き」をマイページ内で完結できるようになりました。
本サービスでは、人が手入力で行っていた部分にAI-OCR(※)を活用し、OCRでテキストを解析した後に手術や薬剤などへコード化することで、保険会社側の入力やチェックの業務負荷を軽減し、業務効率化にもつなげています。詳しくは、<こちら>。
※AI-OCR:AI(人工知能)を活用し、画像データから文字を認識し、テキストデータに変換する仕組み。OCRは、「Optical Character Recognition/Reader」の略称。「光学的文字認識」と呼ばれる技術を指す。
ほけデジを運営するTMJでは、映像サポートサービス「みえサポ」を提供しています。「画面同期(コブラウジング)」機能で、リアルタイムでお客様が閲覧しているページを見ながら遠隔操作で入力支援などの最適な案内ができます。詳しくは、<こちら>。
「保険の商品以外のサービス」で利用したいこと
「商品以外のサービスの参照や利用」について、どんなサービスであれば利用してみたいかマイページの利用状況に絞らず対象者全員に調査したところ、
Q. 「保険の商品以外のサービス」で、利用してみたいものを教えてください。(複数回答可)
(n=2,652)
- 最適な専門医療機関の手配
- ドライブレコーダーから保険会社へ事故情報の自動連携
- 検診や郵送検診キットなどの紹介・予約代行・割引
が上位3つとなりました。
トップ10を見ると、「がん」に対する不安を解消したいニーズも垣間見ることができます。
Q. 「保険の商品以外のサービス」で、スマートフォンアプリ機能として利用してみたいものを教えてください。(複数回答可)
(n=2,652)
スマートフォンアプリ機能で利用したいものを絞って見ると、 事故検知機能をはじめ、病気のリスク診断、病気予防・健康改善サポート、安全運転診断などお客様のニーズが多様化していることが推察できます。
まとめ
保険に関する最初の問い合わせ先では、生保と損保ともに1位の「保険会社や保険代理店の担当者」に次いで多かったのが「保険会社のホームページ(マイページ)」でした。
マイページの認知度では、生保では54%、損保では46%がマイページに登録済みなものの、無関心な層も約3割ほどいました。
マイページの利用ツールとしては、生保ではスマートフォンアプリ、損保ではパソコンが1位となりました。
マイページの利用理由では、生保と損保ともに「請求や契約内容変更の手続き」が1位でした。
マイページに登録・利用しない理由では、生保と損保ともにマイページを利用する前段階の手続きを面倒と感じるとともに、担当者やコールセンターなどマイページ以外に問い合わせることが上位の理由としてあがりました。
マイページで利用したいことでは、生保と損保ともに「請求や契約内容変更の手続き」「相談・問い合わせ」が上位となりました。保険の保険商品以外のサービスで利用したいことでは、幅広い回答があり、お客様の要望が多様化していることが推察できます。
保険という商品の特性上、お客様のセンシティブな情報も多いため、お客様のプライバシーや個人情報の保護と利便性の向上をいかに両立させることができるかが、マイページの利用促進にも貢献することが推察できます。 また、保険会社からの積極的な情報発信よりも、請求や契約内容変更など基本的な手続きを最小限の手間でできることへのニーズが高いことが推察できます。
保険の商品以外で利用したいものでは、お客様から様々な要望が寄せられており、多様化するニーズに対してどの課題やニーズに向けてサービス開発を進めるか優先順位付けが他社と差別化するうえで重要なポイントとなりそうです。
TMJでは、保険会社様が抱えやすい課題の解決に向けたBPOサービスを幅広く展開しています。
CX(顧客体験)向上への取り組みとして、「マイページ活用支援サービス」も提供しています。 BPO企業として、お客様にとってわかりやすい手続き方法や手続きの対応する側がいかに不備なく業務を進めるか、保険会社様と一緒にお客様の自己解決率の向上に向けて取り組んでいます。お悩み・ご相談などございましたら、お気軽にお問合せください。お問い合わせは、<こちら>。
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